世界には“なぜそこに?”と思う道路と建物がある
道路の真ん中に、電柱が立っている。
そう聞くと「工事中かな」と思います。でもインド南部カルナータカ州のスリアで話題になったのは、新しく作られたコンクリート道路に、4本の電柱がそのまま残っていたというニュースでした。

The Times of Indiaによると、この写真はSNSで広がり、地元では行政や関係者への批判、政治的な責任の押し付け合いにまで発展しました。見た目のインパクトが強すぎて、道路というより「障害物コース」です。
道路はできた。でも電柱は動いていない
記事によると、問題の道路はスリア選挙区内にある新しいコンクリート道路。そこに電柱が4本、道路上に残されていました。
普通に考えれば、道路を作る前に電柱を移す。もしくは、電柱を避けて道路設計を調整する。ところが完成後の写真では、車が通るべき場所に電柱がいます。
地元の会合では「事故が起きたら誰が責任を取るのか」という声も出ました。笑える見た目ですが、実際にはかなり危ない話です。夜間や雨の日、初めて通る人にとっては、道路の中央にある障害物は冗談では済みません。
でも世界には、もっと堂々とした“なぜそこに?”もある
道路と建物の奇妙な関係は、失敗だけではありません。
大阪のゲートタワービルは、高速道路がビルの中を通っていることで知られています。阪神高速の出口ランプが、ビルの5階から7階部分を抜けるような形です。しかも、道路は建物に直接触れているわけではなく、橋のように独立して支えられています。
中国・重慶の李子壩駅も有名です。モノレール駅が住宅ビルの6階から8階部分に入り、列車が建物の中を通り抜けるように見えます。こちらも、山が多く高低差のある都市ならではの立体的な交通です。
つまり、「なぜそこに?」には2種類あります。
ひとつは、調整不足でそうなってしまったもの。もうひとつは、土地や権利や地形の制約を力技で解いた結果、そう見えるものです。
面白さは、街がパズルだから生まれる
道路はまっすぐ作りたい。建物は土地を使いたい。電柱は電線を支えたい。鉄道は勾配を避けたい。住民は立ち退きたくない。
街づくりは、いろんな「動かしたくないもの」の調整です。全部がきれいに解ければ普通の道路になります。でも、どこかで折り合いがつかないと、不思議な景色が生まれます。
インドの電柱道路は、おそらく良い意味の解決ではありません。一方で、ゲートタワービルや李子壩駅は「そこまでして通すのか」という都市の執念があります。
世間の反応
道路の真ん中に電柱がある写真は、SNS向きすぎます。
「誰も気づかなかったのか」「ナビに障害物として登録してほしい」「運転免許試験の最終ステージ」みたいな反応が自然に出てきます。
ただ、こういう写真が面白いのは、私たちが普段「道路は安全に通れるもの」と信じているからです。その信頼が1枚の写真でひっくり返ると、世界が急に雑に見えます。
出典
- The Times of India: https://timesofindia.indiatimes.com/city/bengaluru/concrete-road-developed-by-leaving-power-poles-in-the-middle/articleshow/132095228.cms
- Wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/Gate_Tower_Building
- Wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/Liziba_station
おもせかの一言
道路の真ん中に電柱があると、人は一瞬で行政会議の存在を疑い始める。インフラ、完成写真の説得力が大事すぎる。