便利だったシェア自転車、街から撤去へ。メルボルンでLimeが“最低基準未達”と判断された理由

便利だったシェア自転車、街から撤去へ。メルボルンでLimeが“最低基準未達”と判断された理由
Photograph: Jessica Hromas / The Guardian

メルボルン内側のヤラ市で、黄緑色のLime電動自転車が街から消えることになりました。

メルボルンを走るLimeの電動自転車
Photograph: Jessica Hromas / The Guardian

市議会は約6年続いた実証事業を終了。市の公式発表では、2020年の開始以来、放置や利用方法をめぐる苦情が数百件あり、事業者選定でも市の最低条件を満たす提案がなかったとしています。

使われていなかったわけではない

Limeの推計では、ヤラ市内で2025年1月以降、1日平均約614回利用されました。駅から自宅、路面電車の空白区間などを埋める「最後の数キロ」として定着していたことがわかります。

だから撤去は、人気がないサービスの整理ではありません。便利に使う人が多い一方、歩道をふさぐ車両や危険な利用の負担を、使わない住民が引き受けていたことが争点です。

ドックなし方式の弱点

専用駐輪場を持たないシェア自転車は、乗り捨てられる自由が魅力です。しかし自由な返却場所は、そのまま放置場所にもなります。

市は、駐輪管理、苦情への対応、費用負担などを含む新しい契約を求めました。The Guardianは、市が従来の合意から収入を得ていなかった点も報じています。公共の歩道を使うサービスを、誰がどこまで管理し費用を払うのかが問われました。

終了後も議論は終わらない

ヤラ市は30日の通知期間でLimeと撤去を進めます。利用者からは通勤時間が大幅に延びるという不満も出ています。自家用車を減らしたい都市にとって、シェア自転車をなくすことが最善かは別問題です。

世間の反応

「歩道の障害物が減る」と歓迎する声と、「一部の迷惑利用のために交通手段全体を消すのか」という反発があります。サービスの便利さではなく、置かれている間の振る舞いが契約を終わらせました。

おもせかの一言

シェア自転車は、走っている間より止まっている間のほうが政治的。最後の1キロを埋める道具が、歩道の最後の1メートルを奪ってしまった。

出典

  • The Guardian: https://www.theguardian.com/australia-news/2026/jul/15/lime-bikes-cancel-ban-yarra-city-council-melbourne
  • ABC News: https://www.abc.net.au/news/2026-07-15/yarra-council-cancels-lime-ebike-scheme/106916638