4種類のX線CTを1台に集約。原子配列から亀裂まで約6時間で同じ試料を撮影
材料の中の亀裂、元素の分布、結晶の並び、乱れた原子構造。従来は別々の装置と測定で集める情報を、同じ試料の同じ場所から一度に得るX線CT設備が米ブルックヘブン国立研究所に作られました。
四つの撮影法を一つの実験ステーションへまとめ、原子スケールから材料全体までをつなげます。

形・元素・結晶・非晶質を同時に
統合されたのは、密度や亀裂を見るX線吸収CT、元素の種類と位置を示す蛍光CT、整った結晶構造を調べる回折CT、乱れた非晶質構造を読む二体分布関数CTです。60キロ電子ボルトを超える硬いX線を使い、重い元素を含む核材料も透過します。
ビームは最小約15マイクロメートル、人の髪の太さのおよそ4分の1まで絞れます。金属線と粉末を組み合わせた試験試料では、元素の位置、原子配列、全体構造を対応付けて記録できました。
数日分の測定を約6時間へ
四つを別々に測れば数時間から数日かかり、試料を移すたびに同じ場所を合わせ直す必要があります。統合設備では実証測定を約6時間で実施し、将来は検出器の更新で30分未満を目指しています。
ただし短時間化の実績は専用に作った試験試料でのものです。実際に放射線や腐食を受けた複雑な核燃料で、寿命や安全性を直接予測できると証明したわけではありません。装置は電池や浄水用多孔質材料にも利用が始まっています。
世間の反応
病院で別々の検査結果を重ねるように、材料の「形」と「中身」を同じ座標で診断できます。壊さず測れるため、時間変化を追う実験にも向いています。
出典
- Journal of Synchrotron Radiation: https://doi.org/10.1107/S1600577526001104
- Brookhaven National Laboratory / Newswise: https://www.newswise.com/articles/first-of-its-kind-x-ray-imaging-tool-for-studying-nuclear-materials
おもせかの一言
材料の健康診断が、CT、元素検査、原子配列検査を一つの診察室で済ませる形になりました。