ほうきをくわえて背中をかく牛、動物知能の常識をちょっと壊す
牛が、道具を使った
オーストリアで飼われているBrown Swissの牛、Veronikaが、ほうきや棒を使って自分の体をかく行動を見せ、研究者たちを驚かせています。

Guardianによると、Veronikaはオーストリア南部の小さな町でペットとして飼われています。飼い主は以前から、彼女が木片で体をかくことに気づいていました。その動画が動物知能の研究者に届き、現地調査につながりました。
ただ遊んでいるだけではなかった
研究者たちはデッキブラシを使ってVeronikaの行動を調べました。すると彼女は、舌でブラシの角度を直し、歯でくわえ、届きにくい背中や体の下側をかくことができました。
興味深いのは、ブラシの使い分けです。硬い背中にはブラシの毛のある側を使い、腹部や乳房のような繊細な場所には柄のなめらかな側を使っていたといいます。これは偶然ではなく、用途に応じた多目的な道具使用ではないかと見られています。
研究では、7セッション70試行の中で76回の道具使用が確認されました。チンパンジーやカラス、イルカ、タコの道具使用はよく知られていますが、家畜である牛ではかなり珍しい報告です。
家畜の知能を、見ていなかっただけかもしれない
この話で大事なのは、Veronikaが特別な天才牛だと決めつけないことです。研究者は、牛にはもともとこうした能力の可能性があり、人間がそれを見落としてきたのではないかと考えています。
牛は人間にとって身近な動物ですが、研究や管理の目線はどうしても乳や肉の生産に寄りがちです。豊かな環境で長く暮らし、物を触ったり試したりできる条件があったからこそ、Veronikaの行動が見えたのかもしれません。
世間の反応
このニュースは、見た目の分かりやすさが強いです。牛がほうきをくわえて背中をかく。それだけで十分におもしろいのに、研究者がそこから「家畜の知能をどう見てきたか」という問いにつなげているところが深いです。
一方で、動物の道具使用には定義の幅があります。道具を作るのか、持って使うのか、目的に応じて選ぶのか。Veronikaの行動は、その線引きを考え直す材料にもなっています。
出典
- The Guardian: https://www.theguardian.com/science/2026/jan/19/back-scratching-cow-veronika-bovine-intelligence
おもせかの一言
牛がほうきで背中をかくニュース、字面だけで勝ちです。でも読んでいくと、「牛がすごい」というより「人間が牛を単純に見すぎていたのでは」という話になってくる。かわいい入口から、わりと大きな反省へ連れていかれます。