試合よりそっちが気になる。海外スポーツ大会の珍事件集

試合よりそっちが気になる。海外スポーツ大会の珍事件集
Gareth Fuller/PA via AP

スポーツは、速い、強い、うまいを競うもの。

だいたいはそうです。でも世界には、ルールを聞いた時点で試合より気になる大会があります。

イギリス南部サリー州ドーキングで開かれた妻運びレースでは、参加者がパートナーを背負って丘を上り下りし、干し草の障害物を越え、水をかけられながら走ります。AP通信によると、2026年の大会ではフィンランドのペアが1分45秒で優勝。賞品は地元ビールの樽でした。

妻運びレースに参加する人々
Gareth Fuller/PA via AP

真剣なのに、説明がもう面白い。これがおもせか向きのスポーツです。

妻じゃなくてもいい妻運びレース

名前は「妻運び」ですが、実際には自分の妻でなくてもよいとされています。友人、恋人、兄弟姉妹でもOK。運ばれる人は18歳以上で、体重が50kg以上必要。足りない場合は、粉や水を入れたリュックで重さを足すというルールもあります。

競技者の多くは「エストニアン・ホールド」と呼ばれる姿勢を使います。運ばれる側が背中に逆さまにぶら下がり、脚を前で組むスタイルです。

説明だけで、もう映像が浮かびます。しかもコースは380メートル。主催者いわく「この状況ではかなり長い距離」です。確かに、普通に走る380メートルと、人を逆さまに背負って走る380メートルは別競技です。

ルールが変でも、競技はちゃんときつい

珍スポーツは、外から見るとふざけているように見えます。

でも実際には、かなり体力が必要です。丘を上る、下る、障害物を越える、水で濡れる、バランスを崩さない。しかも背中には人がいます。笑いながら始めても、途中から普通にしんどいはずです。

このギャップがいいところです。ルールは変。でも参加者は真剣。観客は笑うけど、走っている本人は必死。スポーツの面白さが、かなりむき出しになります。

チーズを追いかけて丘を転がる国もある

イギリスには、さらに有名な珍競技があります。グロスター近郊のクーパーズヒルで行われるチーズ転がしです。

参加者は急な丘を下り、転がるダブルグロスターチーズを追いかけます。AP通信によると、2025年の大会ではドイツのYouTuber、トム・コプケさんが2年連続で勝利しました。丘は約200ヤード、つまり180メートルほど。チーズは約3kg。勝者はそのチーズを手にします。

この競技のすごいところは、ほとんどの人が走るというより転がることです。重力が主役。人間は参加者。映像を見ると、スポーツというより自然現象に挑んでいます。

なぜ人は、そこまでして変な競技を続けるのか

珍スポーツは、合理性だけで見るとかなり不思議です。

チーズを追う必要はない。人を背負って丘を走る必要もない。賞品がビールの樽なら、普通に買ったほうが安全です。

でも、そこに人が集まります。なぜなら、変なルールは共同体の記憶になるからです。「今年もあれをやるらしい」「今年は誰が転んだ」「あの人が勝った」。競技そのものが、地域の祭りになります。

世界には、勝つためだけではなく、続けるために存在しているスポーツがあります。

世間の反応

こういう大会のニュースには、毎回「なぜ?」と「ちょっと出たい」が同時に起きます。

見る分には最高。参加するには怖い。でも地元の人にとっては、それが毎年の風物詩です。普通のスポーツニュースでは味わえない、謎の明るさがあります。

おもせかの一言

人を背負って丘を走る。チーズを追って丘を転がる。人類、暇なときに考えた遊びを何百年も大事にしがち。

出典

  • AP News: https://apnews.com/article/uk-wife-carrying-race-dorking-finland-ale-2afe2e0e89a61de4463f6054578da344
  • AP News: https://apnews.com/article/cheese-rolling-uk-gloucester-coopers-hill-35108c79613ed54579ca2f1d838ac22e