1,600万年前の南米、食物連鎖の頂点は巨大ワニだった。骨の歯形が証言
いまから約1,600万〜1,050万年前、現在のコロンビアを含む南米北部には巨大な湖と湿地が広がっていました。岸辺には1トンを超える草食動物が歩き、アナコンダ、サーベル状の歯を持つ哺乳類、飛べない「恐鳥」などが獲物を狙っていました。
ところが、化石に残った“犯行の跡”を調べると、とりわけ大型の獲物に強い存在感を示したのはワニ類だったようです。

骨に残った噛み跡を照合
ヘルシンキ大学などの研究チームは、博物館に保管された中新世の草食動物化石を調査しました。骨に刻まれた噛み跡や歯形は、捕食者と獲物が直接かかわったことを示す貴重な証拠です。
跡の形や大きさから、巨大なカイマンの仲間「プルスサウルス・ネイベンシス」が残した可能性の高い痕跡が繰り返し確認されました。最大級の個体は全長約7メートル、体重約1,800キログラムと推定されています。
研究者は、当時の草食動物の量が哺乳類の捕食者だけでは消費しきれないほど多く、ワニ類が食物網の重要な一角を担ったと考えています。とくに大型動物を襲うことで、草食動物の個体数にも影響した可能性があります。
「誰が噛んだか」には幅がある
噛み跡は直接的な相互作用の証拠ですが、一つ一つの傷から捕食者の種や、狩りだったのか死骸を食べたのかまで完全に断定できるとは限りません。今回の結論は、複数の化石に残る痕跡の頻度や形を積み重ねて導かれたものです。
また「ワニがすべての捕食者を圧倒した」というより、多様な捕食者の中で、巨大ワニ類が大型獲物を利用する主要メンバーだったという理解が近そうです。
世間の反応
恐竜絶滅後の南米と聞くと哺乳類の世界を想像しがちですが、当時は水辺の爬虫類や恐鳥も巨大化していました。骨の傷から、生態系の役割分担まで見えてくる点がこの研究の面白さです。
出典
- Journal of Vertebrate Paleontology: https://doi.org/10.1080/02724634.2026.2701154
- Phys.org: https://phys.org/news/2026-08-giant-crocodylians-dominated-food-chain.html
おもせかの一言
1トン級の草食動物がいても、その湖にはもっと大きな口が待っていました。古代南米、岸辺での油断は禁物です。