詰め物味にビーフだし味。英国のアイスが“夕食化”している
暑い日に食べたいものといえばアイス。では「セージ&オニオンの詰め物味」はどうでしょう。英国では2026年夏、アイス売り場がデザートを飛び出し、ロースト料理の隣まで進出しています。

ロンドンで毎夏開かれる「The Ice Cream Project」は、有名な食品ブランドをアイスに変える期間限定店です。5年目となる今回は、PaxoのスタッフィングとOxoのストックキューブが登場しました。
クリスマス料理が、冷たいスイーツに
スタッフィングは、英国のロースト料理で肉などに添える詰め物。Paxo版は、セージとタマネギのハーブ風味をクリーミーなアイスに移しています。Oxo版は、ビーフだしを使ったアイスをキャラメル風に仕上げ、塩気を加えたものです。
ほかにも、ショートブレッドやジンジャービスケット、チョコレートミルクといった、英国でなじみ深い商品の味が並びます。おいしさだけを競うというより、パッケージを見て味を思い出し、「それを凍らせたらどうなる?」を楽しむ企画です。
店は6月5日から8月16日までの期間限定。15種類を当てるブラインド試食会まで用意され、アイスは食べ物であると同時に、夏のイベントになっています。
2026年は、変わり種が99種類
英紙ガーディアンは、この夏に英国で買える変わり種アイスを99種類試食しました。そこにはオリーブオイル、抹茶、しょうゆ、セージ&オニオンなど、甘いだけでは説明できない味がずらり。スーパーや小規模ブランドも、定番のバニラとは違う一杯を競っています。
ただし、珍しさとおいしさは別問題です。Paxo味は「本当にスタッフィングの味がする」ほど再現度が高かった一方、同紙の評価は厳しめでした。再現に成功したからこそ、冷たいデザートとして好まれるとは限らない。このズレも変わり種アイスの面白さです。
日本にも、しょうゆや味噌、わさびなどを使ったご当地アイスがあります。英国の動きも、塩味アイスの発明というより、誰もが知る日常の味を「冷たい別の形」に変える遊びといえそうです。
世間の反応
海外では、「Oxoは勇気が要る」「Paxoは夕食を冷凍したようだ」と戸惑う声がある一方、毎年の企画を楽しみにするファンも。食べる前から会話が始まる点では、すでに商品として成功しているのかもしれません。
おもせかの一言
前菜、メイン、デザートの順番を守る時代は終了。英国ではメインがデザートのふりをして出てきます。