イタリアの「パスタおばあちゃん」、観光名物になりすぎて摘発騒動に
イタリアの路地で、おばあちゃんたちが手作りパスタを売っている。観光客から見ると、完璧に「見たいイタリア」です。
でもバーリ旧市街の名物になった「パスタおばあちゃん」たちは、観光名物になりすぎたことで、今度は当局の目にも留まりました。

The Guardianによると、手作りのオレキエッテを売る女性たちの一部に、工場製のパスタを手作りとして売った疑いなどが持ち上がり、罰金を受けた人もいます。
伝統が観光コンテンツになると、急に難しい
バーリの路地でパスタを作って売る文化は、もともと家庭と地域に根ざしたものです。観光客はそこに「本物らしさ」を見ます。
手で丸めた小さな耳の形のパスタ。路地に並ぶ台。家の前で作業する女性たち。写真に撮りたくなる要素がそろっています。
しかし、観光客が増えると、そこにはお金が集まります。お金が集まると、衛生、税金、表示、営業許可といったルールが入ってきます。
手作りの価値は、誰が証明するのか
今回の騒動で面白いのは、「手作り」という言葉の重さです。
観光客は、路地で買うパスタに物語を求めます。スーパーの商品ではなく、現地の人が作ったものを持ち帰りたい。だから「手作り」は価値になります。
でも、もし工場製を手作りとして売っていたら、その価値は揺らぎます。味だけでなく、買った体験そのものが変わってしまうからです。
守りたい伝統ほど、ルールとぶつかる
地元当局は、伝統そのものを否定しているわけではありません。むしろ文化として残したい。
ただ、観光名物として拡大すると、昔ながらのやり方だけでは済まなくなります。食品を売る以上、安全性や表示の正確さが問われます。
ここが難しいところです。規制しすぎると、路地の魅力は薄れる。放置しすぎると、観光ビジネスとして信用が壊れる。伝統は、人気が出た瞬間から管理対象にもなります。
世間の反応
この話には「おばあちゃんたちを守ってほしい」という気持ちと、「観光客相手に偽物を売るなら問題」という気持ちが同時にあります。
どちらもわかります。路地のパスタ作りは魅力的です。でも魅力的だからこそ、雑に商売化されると残念です。
観光客が求める「本物」は、意外と管理が大変です。
出典
- The Guardian: https://www.theguardian.com/world/2025/sep/27/barricades-in-bari-pasta-grannies-under-scrutiny-italy
おもせかの一言
手作りパスタが人気になりすぎて、手作りかどうかを当局が見る世界。伝統、観光客に見つかった瞬間から急に事業っぽくなる。