ケチャップに藻のたんぱく質。3%なら味も赤さもほぼそのまま

ケチャップに藻のたんぱく質。3%なら味も赤さもほぼそのまま
Image: ACS Food Science & Technology (2026)

ケチャップをたんぱく源にしたい。でも緑色で藻の味が強いケチャップは困る。研究者が微細藻類クロレラから取り出したたんぱく質を1~13%加えて比べたところ、3%程度なら甘酸っぱさと赤い見た目を保ちながら、栄養を上乗せできました。

クロレラたんぱく質を3%と5%加えた試作ケチャップ
Image: ACS Food Science & Technology (2026)

たんぱく質を強化した食品には、乳清、大豆、エンドウ豆などがよく使われます。今回の材料は単細胞の藻類「Chlorella vulgaris」。一年を通じて速く育ち、農地や淡水を比較的少なくできる候補として注目されています。

1%から13%まで、実際に食べ比べ

研究チームはクロレラからたんぱく質を分離し、プラムトマト、砂糖、塩、酢、香辛料、クエン酸を使ったケチャップへ配合しました。割合は1%、3%、5%、13%など。瓶詰めして低温殺菌し、藻を入れない対照品も用意しました。

15人の試食パネルでは、1%と3%の試作品が、ケチャップらしい甘味、酸味、穏やかなスパイス感を維持しました。藻らしい風味はわずかで、見た目の赤さも大きく損ないませんでした。

5%と13%では、たんぱく質は増えるものの、藻の味と緑がかった色が目立ち、受け入れられにくくなりました。栄養を足せば足すほどよいのではなく、3%前後に味との折り合いがありそうです。

たんぱく質は増えたが、主菜にはならない

3%と5%の試作品は、通常のケチャップに比べてたんぱく質が2~3倍となり、必須アミノ酸、鉄などのミネラル、抗酸化成分も増えました。一方でケチャップは一度に大量に食べる食品ではなく、これだけで肉や豆の代わりになるわけではありません。

また、試食人数は15人と小規模です。文化や食習慣の異なる大人数での評価、保存期間、時間とともに色や味が変わらないか、工場規模で安定して作れるかも今後の課題です。

研究の狙いは、身近で保存しやすい調味料を、持続可能なたんぱく質の入口にすること。緑の粉を隠すのではなく、消費者が違和感なく選べる配合点を探しています。

世間の反応

「高たんぱくケチャップ」という響きは健康食品らしいものの、栄養価は実際に使う量で考える必要があります。今回の成果は万能調味料の完成ではなく、藻類原料をおいしく混ぜられる範囲を示した初期試験です。

おもせかの一言

藻を13%入れるとケチャップが自己主張を始め、3%ならこっそり働く。未来食にも、出しゃばらない名脇役が必要です。

出典