「それ、罰金なの?」海外には細かすぎるルールがある

「それ、罰金なの?」海外には細かすぎるルールがある
Photograph: Ceri Breeze/Alamy / The Guardian

イタリア北部、コモ湖畔の小さな村ヴァレンナで、観光客に新しいルールができました。

村の中を上半身裸や水着姿で歩くのは禁止。破ると50ユーロから200ユーロの罰金になる可能性があります。

上半身裸の観光客が町を歩く様子
Photograph: Ceri Breeze/Alamy / The Guardian

「え、そこまで決める?」と思う話ですが、観光地側から見るとかなり本気です。ヴァレンナは人口およそ650人の村。そこに毎年、大量の観光客が押し寄せます。湖、石畳、細い道、古い建物。全部が観光資源である一方で、全部が住民の生活空間でもあります。

水着は湖で。村では服を着て

今回のルールでは、水着や裸の上半身はビーチやボート上ではOK。でも、村の通り、店、レストラン、教会、広場ではきちんと服を着ることが求められます。

さらに、観光グループは25人以下に制限。ガイドが拡声器を使うことも禁止されました。細い石畳の道で大人数が立ち止まり、スピーカーで説明を始めると、地元の人にとっては毎日の生活がちょっとしたイベント会場になります。

観光客としては「休暇だし、湖の近くだし」と思う。住民としては「ここ、うちの生活道路なんだけど」と思う。そのズレが、罰金という形で見えるようになったわけです。

ベネチアも「街をテーマパーク扱いしないで」モード

こうしたルールはヴァレンナだけではありません。ベネチアでは、オーバーツーリズム対策として日帰り客への入場料テストや、混雑管理が行われてきました。AP通信によると、2024年の試験では特定日の午前8時半から午後4時までに来る日帰り客に5ユーロの支払いを求め、未登録の場合は50ユーロから300ユーロの罰金対象になる仕組みでした。

ベネチアは「街そのもの」が観光地です。橋も、路地も、水上バスも、住民の生活インフラでありながら、世界中の人が写真を撮りに来る場所でもあります。

だからルールが細かくなる。橋で立ち止まらないで、運河で泳がないで、広場で好き勝手にピクニックしないで。言われてみれば当たり前ですが、旅先テンションの人間には当たり前がふわっと消えます。

面白いのは、ルールよりも「限界のサイン」

観光地の変なルールは、単体で見ると笑えます。

  • 水着で村を歩くな
  • ガイドは大声を出すな
  • 日帰り客はQRコードを出せ
  • 運河で泳ぐな

でも、よく見るとこれは「もうお願いだけでは無理です」というサインでもあります。観光客が多すぎる、住民が休めない、ゴミが増える、道が詰まる、景観が壊れる。そこで初めて、マナーが条例っぽくなります。

ルールは細かいほど少し変に見えます。ただ、その細かさは現場で何度も同じ困りごとが起きた証拠でもあります。

世間の反応

この手のニュースには、だいたい2つの反応があります。

ひとつは「観光客、さすがに自由すぎる」という反応。もうひとつは「旅行先でそこまで細かく言われるのもしんどい」という反応です。

ただ、最近は前者が強くなっている印象があります。人気観光地で暮らす人の目線が、少しずつ共有されるようになってきたからです。写真を撮る側から見ると名所でも、そこに住む人から見ると玄関前だったり、通勤路だったりします。

おもせかの一言

「上半身裸で歩くと罰金」は字面だけ見るとかなり細かい。でも、観光地がここまで言い出す時点で、たぶん現場はだいぶ限界。世界の名所、だいたい住民の忍耐でできている。

出典

  • The Guardian: https://www.theguardian.com/world/2026/jul/07/italian-village-to-impose-fines-of-up-to-200-on-tourists-with-bare-chests-or-in-swimwear
  • AP News: https://apnews.com/article/venice-daytripper-tourist-tax-overtourism-e0a741e5e439fb8c027387534b086380