幸運を願う観光客が回りすぎた。ミラノの牛モザイク、すり減って修復へ
ミラノの観光名所で、床の牛が修復されています。
場所はガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世。19世紀の美しいアーケードにある牛のモザイクです。観光客の間では、この牛のある部分にかかとを置いてくるりと回ると、またミラノに戻ってこられるという言い伝えがあります。

問題は、みんなが回りすぎたことです。The Guardianによると、観光客のかかとの回転でモザイクの石がすり減り、小さなくぼみができてしまいました。
愛されすぎて傷む文化財
この牛のモザイクは、ただの床ではありません。ミラノ中心部の歴史的なショッピングアーケードにある装飾で、都市の記憶の一部です。
でも観光名物になると、床は床でいられません。毎日、大勢の人が同じ場所で回ります。しかも「幸運のため」と言われると、観光客はだいたいやります。
修復を担当した職人は、当時の図案を確認しながら石を手で切り出したと報じられています。さらに、今後も観光客のかかとに耐えられるよう、接着には現代的な素材も使うそうです。
伝統は、たまに物理的に削れる
この話の面白さは、伝統がかなり物理的なダメージになっているところです。
祈る、願う、写真を撮る。観光客の行動は一つひとつなら小さなものです。でも、それが何千回、何万回と繰り返されると、石の床に穴ができます。
文化財は「見られる」だけならまだ耐えられます。でも「触られる」「踏まれる」「回られる」となると、話が変わります。
修復中も、観光客は別の場所で回った
記事によると、牛のモザイクが修復中で使えないあいだ、観光客の中には隣の雌オオカミのモザイクで同じように回る人もいたそうです。
人間、幸運スポットが閉鎖されると、かなり柔軟に代替スポットを見つけます。
これは少し笑えますが、文化財側からすると大変です。ひとつを守ると、別の場所が削られる。観光名所の管理は、かなり終わりのない作業です。
世間の反応
このニュースには「そんな伝統があるのか」という驚きと、「そりゃ削れるよ」という納得が同時にあります。
観光客にとっては楽しい儀式です。でも修復する側から見ると、毎日かかとで石をこすられるわけです。願いごとにも摩耗係数があります。
出典
- The Guardian: https://www.theguardian.com/world/2026/may/28/bull-mosaic-testicles-milan-italy-restoration
おもせかの一言
「またミラノに来られますように」と願うたび、ミラノの床が少しずつ犠牲になっている。幸運、物理的コストがある。